2011-06-22

cant read cards now

承前

仏教の説話で次のような話がある。

子供が死んで悲しんでいる母親が、釈迦にすがった。

釈迦は死んだ人が一人も出たことのない家を探して、そこの家から穀物を分けてもらい育てて食べたら、きっと子供も生き返るよと答えた。

母親は一軒々々の家を回り、死んだ人の出たことのない家を探した。

どの家にもかつて死んだ人があり、死んだ人の思い出や、死者を出したときの苦しみを聞く機会となった。


母親は、ふと楽になって子供の葬式を出すことができた。

この5年

私もまた。
元妻に追い出されて独り暮らしをするようになって、一年後に自分の荷物のなかにタロットカードがあることに気づき、ふと筋の通るカードばかり引けるようになっていることを発見した。

麻雀にヒキと呼ばれるものがあるように、カードにもヒキがあり、今はヒキが強い時期なのではないかという解釈と、自分の読みの幅が広がってどんなヒキでも読めるようになった (ただし現実に即しているかどうかは別問題) という解釈ふたつのどちらだろうと実験を重ねた。

それから二年後、一度だけ。二週間だけ。カードが読めない時期があった。どんなカードを引いても、良く解釈することしかできない、自分のひとつの人間関係にしか当てはめることができない、という時期が。

当時は認識していなかったが、恋をしていたのだと今は言える。

自覚していなかった恋に破れてから、カードの付き合いからの人間関係を深めていった。

だれとであれ、同じ失敗をしたくなかったから人付き合いがうまくいくようにという意識だったが。

一度も仲違いをしたことのないカップルを探していたのかもしれない。


そんなカップルはなかった、のかな。

この5日

土曜日からかれこれ四日間。またカードが読めない時期が続いている。

前回の、良く解釈することしかできない状態でなく、現実に即していると思うにはあまりに無理筋なカードばかりが出る。

カードが目先の航路を示すなら、きっと航路ではなく行き先を検討する時期なのかとも思える。

不条理だけど、ヒキはまた復活すると思う。

筋が通るカードばかりと思えるようになった最初これは今だけのことだろう。また筋が通らないと思えるカードの並びを引くようになったら三年カード引くのをやめようと思っていた。

今は、また今の課題、自分の方針が固まれば、きっと二週間程度でヒキは復活するだろうとぼんやり思っている。

べつにヒキが復活しなくても困らないような生き方・方針になるのかもしれないけれど。

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