8月の夢
8月に重い手応えを感じる夢をみた。
夢の主役は霊媒と人形。悪霊を封じた人形と夢の中で視たものは、心の奥底の生命力なのだと解釈した。
荒ぶることもある生命力に家族の相手をさせて、自分ひとりしか入れない奥の部屋で、植物を育てるようなことをしていたから、いま一人暮らしをするに至ったのだな、と思った。
生命力が枯渇しているいま、 理性的な意識を司る右手で人形を拒みつつ、左半身は受け入れ、同化することで動けるのではないかな、と思った。
詳細は8月づけでまとめた。
9月の夢
9月下旬、また重い夢をみた。
老婆の住む家が舞台だった。隣に、細い堀ひとつ隔てて明石城があった。
老婆の留守にベビーベッドの上で発見したのは、萎れた仔犬だった。ミニブルドッグのような弛んだ皮膚をしていた。
手に取って、口のなかに手を突っ込んでみると、乾電池が 3つ出てきた。どこに入っていたのだろうと思える大きさだった。
こんなものが入っていたのでは病気になるよ、と思いながら水道からちょろちょろと流れる水に口元を当ててやり、元気になれと願っているところで目が醒めた。
8月の夢を視てから、無意識の力を引き出そうと考え、その手段としてタロットカードを引いてばかりいた。汲み上げるべきでない方法で力を求めていたから、荒ぶる生命力すら枯渇したのかな、と思った。
そういえば、あれからオカルトといわれる知識体系や瞑想の方法を、中高生の頃にかじっただけの知識を応用するだけでなく、批判も行いつつ真面目に情報収集するようになった。
10月の夢
10月27日に書こうとした夢も、これとつながっていると解釈した。
雨の降るの明石の町から、取材をする女性と二人手をつないで水上バスに乗って島についた。
なるほど、あれは文字通りの 岩屋
か。いま気づいた。
岩をくりぬいてできた家の中、取材対象の若い男は、犬の顔をしていた。
まだ会ったことのない画家で、犬の顔のアイコンに仮託してネット上で話す男がいるので、夢の中で彼かと思った。
鉄板の上で焼いていた昼食、2列で6つ並んだ容器のうち4つの丸いものをみて、私のパイプの空き缶を使っているのかと思った。伝えると、そうだと答えた男は一つ開けて見せてくれた。中には美事に焼けた目玉焼きが入っていた。
けもの
ユング心理学から解釈するのが習慣なので、もちろんのこと犬のアイコンの画家をシャドウと考えた。たしかにこの画家は、おおらかで明るく若く、私の対極にある。
だがシャドウだとして何がわかるのか。嫉妬まじりの反発はしても、屈託のない人好きのする明るさを手に入れたいとは、前からずっと考えていることじゃないか。
まる一日考えて、気づく。犬の顔の男は、黒い毛むくじゃらの手をしていた。あれも けもの
だ。
ユング心理学の 元型
には、じつはこれに当たる言葉はないと思う。Wkipedia を調べ、図書館で 夢は人に何を伝えているのか
を借りて読み返したが、見つからなかった。
8月の夢ではデモーニッシュな存在だったし、10月には若々しい力をも兼ね備えた 老賢者
というのが近かった。だが、連続する一連のイメージだという確信がある。
心から溢れる情緒の象徴とされる水(酒、堀、海)と連動して活力を得る存在。頼りすぎると力を失うし、無視していると制御を失い荒れ狂うが、知恵と生命力の源泉。
形象としては 影
, 老賢者
, トリックスター
のどれで現れても不思議ではない。敢えて名前をつけるならば 精霊
だから、ユングの元型論の中でもっとも有名な Anima
, アニマ/アニムス
の形を取ることもきっとあるのだろう。
白い猫
こんなことを考えていたら、最近、友だちがこんな話を教えてくれた。
現実に一度断った子猫(その時点ではまだ産まれてない)を、やっぱり貰おうと思う夢を見た。
自分ちは無理だけど、実家なら大丈夫と思い直してた。
その話をしてくれた先輩に連絡しようと悪戦苦闘してる所で目が覚めた。子猫のイメージは、なぜか真っ白でした。
あ、これも同じだ、と思った。
白い、まだ眠っている仔猫も友だちの心のエネルギーなのではないかな。生命力、心の底からのエネルギーが必要で、出会う時期がきたのではないかな、と。
毛皮をもった形をもち、原風景な住居とセットで出てくるところが共通する。
今までの状況では手に入れることをあきらめていた心からの情感とエネルギーを、安心できる居場所に戻ることを決めたときに受け入れるつもりになれたのではないかな、と。
他人がこれ以上、具体的に解釈してどうこう言うものでもないだろう。 10月27日に書いたように、夢から意味を見出せるのは、夢の言語を具体に落とせるのは、本人の経験から導かれる知識と連想だけなのだから。
そして、文章を書くことで、酒 = 堀 = 海という水だけでなく、家という場所に注目してもう一度自分の夢を読み返すことができた。
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