大晦日の話
前の6月に軽く口論をしてから、互いに縁を切っていた知り合いと、酒席で顔を合わせるチャンスがあった。
別の友人と会ったときに、これから彼と飲むというのだ。同じ交友範囲の中なので、お邪魔しても良かった。だが今ひとつ会う気になれず、別れを告げて近くの喫茶店で煙草をふかしていた。
俺は執念深いのかな、そう思ったとき、タロット札を持ってきていたのを思い出して、引いてみた。
トランプの4、皇帝。正位置でも逆位置でもない、ニュートラルな手応え。
なんとなく納得して、宴席に顔を出したりせず、しばらく本を読んだりして過ごして帰った。
帰り道、執念深いと読めなくもないが、どんなカードが出たら反省して和解に行ったのだろうかと考えた。
剣から考えて、5や8、コートカードの逆。王や騎士の逆ならば、剣よりも棒が警戒すべきか。棒の王逆など出たら、確実に自分が執念深く意固地になっていると考えて和解しにいくところだろう。
剣の数札にも多いが、族に 人間関係
と解釈されることもあるだけあって、棒の数札が出ていたら、本当に反省すべきカードが多いね。盃の数の多いほうも、反省して和解に向かうところだな。
棒や盃の2や3が出ていたら? 近頃の私はそんな判断に迷うカードは引かない自信がある、引くようなら札を持ち歩くのをやめようか、とも思った。多分、どういう意味かと横切るカードを引き、そこからケルト十字や、右脳・左脳の自分で考えた2枚、4枚を追加で引いてまた考えるだろうな。
たかだか78枚のカードに、現実の全ての相が出るわけもないと考えているが、心の相ならば78通りのどれが出ても考察可能なこと。その中から 和解の時を決めるは自分。なにかに拘って和解を拒否しているわけではない
と一枚で意味が取れる 4番皇帝を引いたことに満足した。